
北海道には、その地域で暮らしていた人でなければ意味が分かりにくい方言が数多くあります。
そのひとつが「がんず」です。
「がんずってどういう意味?」
「北海道の方言なの?」
と気になって調べている方もいるのではないでしょうか。
「がんず」は、函館をはじめとする道南地方で「目がんず」「耳がんず」といった形で使われていた方言です。
「ちゃんと見ていない」「ちゃんと聞いていない」といった意味合いで使われ、現在では耳にする機会がかなり少なくなった言葉でもあります。
当サイトの管理人も北海道出身で、1980年代頃には実際に「目がんず」「耳がんず」という言葉を冗談交じりに使っていました。
この記事では、「がんずとは何なのか?」をはじめ、「目がんず」「耳がんず」の意味や使い方、地域差、現在でも通じるのかについて詳しく紹介します。
がんずとは?北海道・函館周辺で使われた方言

「がんず」の意味
「がんず」という言葉を調べると、「がんず」単独の意味を知りたくなりますよね。
ただ、函館や道南地方では、「がんず」を単独で使うというよりも、「目がんず」「耳がんず」といった形で使われていた記憶があります。
「目がんず」はちゃんと見ていないこと、「耳がんず」はちゃんと話を聞いていないことを表すような言葉です。
そのため、「がんず=○○という意味」と一言で置き換えるよりも、「目」や「耳」と組み合わせた言葉として理解したほうが、実際の使われ方に近いでしょう。
函館・道南地方で使われていた言葉
「目がんず」「耳がんず」は、北海道全域で広く使われる代表的な北海道弁というより、函館を含む道南地方との関係が強い言葉と考えられます。
北海道はとても広いため、「北海道弁」とひとくくりにしても、函館、札幌、旭川、道東などで使われる言葉が異なることがあります。
「がんず」も、北海道の中でも地域性の強い方言のひとつと考えると分かりやすいでしょう。
「目がんず」と「耳がんず」とは?

「がんず」という言葉を理解するうえで知っておきたいのが、「目がんず」と「耳がんず」です。
当サイトの管理人の記憶でも、「がんず」だけで使うというより、「目がんず」「耳がんず」という言い方のほうがなじみがあります。
「目がんず」の意味と使い方
「目がんず」は、簡単に言えば「ちゃんと見ていない」「どこを見ているの?」といったニュアンスで使われる言葉です。
たとえば、目の前にあるものを見落としてしまった人に、「ちゃんと見てるの?目がんずだねぇ」といった感じで使います。
現在の言葉で表すなら、「ちゃんと見てよ」「よく見てなかったでしょ」といった感覚に近いです。
必ずしも本気で怒っているわけではなく、家族や親しい人同士で軽く突っ込んだり、冗談交じりに使ったりすることもありました。
「耳がんず」の意味と使い方
「耳がんず」は、「ちゃんと話を聞いていない」「人の話を聞いていたの?」といったニュアンスで使われます。
たとえば、先ほど説明したばかりなのに聞き返された場合、「ちゃんと話聞いてたの?耳がんずだねぇ」といった使い方です。
現在の言い方なら、「ちゃんと聞いてよ」「人の話を聞いてなかったでしょ」といった意味合いに近いでしょう。
相手の耳そのものについて言っているわけではなく、「ちゃんと聞いていなかったんじゃない?」と軽く注意するような感覚です。
「目がんず・耳がんず」はどんな場面で使う?
「目がんず」「耳がんず」は、かしこまった場面というより、家族や友人など親しい間柄で使われることが多かった言葉です。
たとえば、「そこにあるでしょ。目がんずだねぇ」「さっき言ったでしょ。耳がんずかい?」といった感じです。
現在の言葉に置き換えるなら、「ちゃんと見てよ」「ちゃんと聞いてよ」という感覚が近いでしょう。
ただし、方言は地域や家庭によって使い方やニュアンスが異なります。函館や道南に住んでいる人全員が使っていたという意味ではありません。
北海道出身の管理人が実際に聞いた「がんず」

ここからは、北海道出身である当サイト管理人自身の体験について紹介します。
1980年代頃には「目がんず」「耳がんず」を使っていた
管理人が北海道で暮らしていた1980年代頃には、「目がんず」「耳がんず」という言葉を実際に耳にすることがありました。
特に記憶に残っているのが、「ちゃんと見てるのか?目がんずだねぇ」「ちゃんと話聞いてたの?耳がんずだねぇ」といった使い方です。
深刻な意味ではなく、家族などの会話の中で冗談を交えて使うことがありました。
方言は、言葉の意味だけでは伝わりにくい部分もあります。誰が誰に言うのか、どのような調子で言うのかによっても印象は変わります。
管理人にとって「目がんず」「耳がんず」は、日常会話の中にあった懐かしい北海道の言葉のひとつです。
現在ではほとんど聞かなくなった
現在では、「目がんず」「耳がんず」という言葉を耳にする機会はほとんどなくなりました。
若い世代の北海道民に突然「耳がんず」と言っても、意味が通じない可能性があります。
1980年代頃には聞いていた言葉が、数十年を経て少しずつ使われなくなっていくのは、方言の面白さでもあり、少し寂しいところでもありますね。
「がんず」は函館だけ?北海道内の地域差

函館・道南地方で使われていた方言
「目がんず」「耳がんず」は、特に函館を含む道南地方との関係が強い方言です。
北海道は広く、地域によって使われる言葉やイントネーションが大きく異なることがあります。
函館や道南で聞いたことのある言葉でも、札幌や旭川など別の地域ではまったく知られていないということも珍しくありません。
札幌や旭川でも使う?
「北海道の方言なら札幌や旭川でも通じるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、北海道はとても広いため、同じ道民でも知らない方言があります。
さらに、同じ地域であっても、家庭によって使う・使わない、世代によって分かる・分からないといった違いがあります。
そのため、「北海道ではみんな使う方言」と考えるより、「函館や道南で使われていた地域性の強い言葉」と考えるのがよいでしょう。
「目がんず」「耳がんず」は現在では死語?

若い世代には通じない可能性もある
「目がんず」「耳がんず」は、現在ではいわゆる「死語」に近づいている可能性があります。
もちろん、今でも使っている家庭や地域があるかもしれませんが、管理人自身も近年はほとんど耳にしなくなりました。
若い世代では、言葉そのものを一度も聞いたことがない人もいるでしょう。
方言は世代や家庭によって残り方が違う
方言は学校で習う言葉ではありません。
多くの場合、家族や地域の人たちとの会話を通じて自然に覚えていきます。
そのため、おじいちゃんやおばあちゃんが使っていた家庭では若い人にも伝わっている一方、同じ地域でもまったく聞いたことがない人がいることもあります。
「目がんずを知らない=北海道民ではない」ということではありません。
同じ北海道でも、地域や世代、家庭によって使われる言葉が違うところも方言の面白さです。
「がんず」を使った会話例

実際の会話をイメージすると、「目がんず」「耳がんず」の意味がさらに分かりやすくなります。
「目がんず」を使った会話例
A:「メガネどこに置いたっけ?」
B:「目の前にあるでしょ!」
A:「あ、本当だ。」
B:「ちゃんと見てよ~。目がんずだねぇ。」
この場合は、「ちゃんと見ていなかったね」という軽い突っ込みのような意味です。
「耳がんず」を使った会話例
A:「何時に出かけるんだっけ?」
B:「さっき10時って言ったでしょ。」
A:「そうだった?」
B:「ちゃんと聞いてたの?耳がんずだねぇ。」
この場合は、「ちゃんと人の話を聞いていなかったでしょ」というニュアンスになります。
現在では意味を知らない人もいるため、初対面の人に突然使うと意味が伝わらない可能性があります。
「がんず」には方言以外の意味もある?

「がんず」と検索していると、方言とはまったく違うものが出てくることがあります。
北海道では、魚の呼び名として「ガンズ」という言葉が使われる場合もあります。
魚を「ガンズ」と呼ぶ地域もある
北海道では、「ナガヅカ」という魚を「ガンズ」と呼ぶ地域があります。
そのため、「目がんず・耳がんず」の「がんず」と、魚を指す「ガンズ」は分けて考えたほうがよいでしょう。
「がんず」と検索して魚の情報が出てきても間違いではなく、方言とは別の意味として使われているものです。
「がんず」と「がんす」は同じ?
「がんず」とよく似た言葉に「がんす」があります。
「がんず」と「がんす」は、意味も使われ方も異なる別の言葉です。
広島の「がんす」と北海道の「がんず」は別の言葉
広島などでは、「~でがんす」という表現が使われることがあります。
また、広島には魚のすり身を使った「がんす」という食べ物もあります。
北海道・道南の「目がんず」「耳がんず」とは意味も使い方も異なるため、混同しないようにしましょう。
「がんず」に関するよくある質問

「がんず」とはどういう意味ですか?
函館を含む道南地方では、「目がんず」「耳がんず」といった表現が使われていました。
「目がんず」はちゃんと見ていないこと、「耳がんず」はちゃんと聞いていないことを表すような言葉です。
「目がんず」とはどういう意味ですか?
「ちゃんと見ていない」「どこを見ているの?」といった意味合いで使われる方言です。
目の前にあるものを見つけられなかったときなどに、冗談交じりで「目がんずだねぇ」と言うような使い方があります。
「耳がんず」とはどういう意味ですか?
「ちゃんと話を聞いていない」という意味合いで使われます。
説明を聞いていなかった人に、「耳がんずだねぇ」と軽く注意するようなイメージです。
「がんず」は北海道のどこで使われますか?
「目がんず」「耳がんず」は、函館を含む道南地方で使われていた地域性の強い方言と考えられます。
北海道全域で同じように使われている言葉ではありません。
「がんず」は今でも使われていますか?
現在も使っている人がいる可能性はありますが、以前より耳にする機会は少なくなっています。
管理人自身も1980年代頃には耳にしましたが、現在ではほとんど聞かなくなりました。
若い北海道民にも「がんず」は通じますか?
通じない可能性があります。
北海道内でも地域差や世代差があり、同じ道民でも知らない方言は珍しくありません。
若い人に「目がんず」「耳がんず」と言った場合、「どういう意味?」と聞き返されることもあるでしょう。
まとめ
「がんずとは?」と調べてみると、北海道にはいくつか異なる「がんず・ガンズ」があることが分かります。
函館を含む道南地方では、「目がんず」「耳がんず」という方言が使われていました。
「目がんず」は「ちゃんと見ていない」、「耳がんず」は「ちゃんと聞いていない」というニュアンスです。
当サイトの管理人も北海道で暮らしていた1980年代頃には、これらの言葉を冗談交じりに使っていましたが、現在ではほとんど聞かなくなりました。
また、北海道では魚を「ガンズ」と呼ぶ地域もありますが、こちらは方言の「目がんず」「耳がんず」とは別の用法です。
北海道は広く、同じ道民でも地域や世代によって使う言葉はかなり違います。
「目がんず」「耳がんず」も、そんな北海道・道南の暮らしの中に残っていた興味深い言葉のひとつです^^

